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■BOOK REVIEW■
『カソウスキの行方』 津村記久子 2008年 最近は、いわゆる小説的な本を読む量が極端に減ったので、なかなかブックレビューを 書きづらかったのですが、なんだかきまぐれに気が向いたので、きままレビュー復活です。 津村記久子さん、はじめて読む作家さんなのですが、なんだろう、すごく、すごくよかった。 いろんな世代に万人ウケする本とはとても思えないけど、わたしくらいの世代の女の子の、 毎日のぼんやりとしたかんじを、こんなにも巧妙に表せる人って、いないんじゃなかろうか。 カソウスキというのは「仮想好き」のことで、平坦につづく、変わりばえのしないまいにちを、 勝手に同僚を好きになったと「仮定」することで、少しずつ変化させようとする話なんだけど、 この妄想ぶりがなんともおかしい。確実にモテない系@能町みね子だよなあ、この人(笑)。 全体的にシュールでなげやりなんだけど、なんとなく前向きなところもあって、にくめない。 のらりくらり、ひょうひょうと毎日をやりすごしていく中に、変なおかしみと哀しみがあって、 じぶんの中でぐるぐる回ちゃってるかんじとか、感情とはべつの方向にコトバが動いちゃう 感じとか。なんかそうゆうの、すごくわかる気がするなあって、うなづきながら読みました。 社会の中で、自分なりのルールを作って、きちんと丁寧にいきていこうとすればするほど、 なんだか社会との違和感を感じたり、時に自分なりに折り合いをつけないといけなかったり、 それを冷静に見てる別の自分までいたりして、ああ、めんどくさいなこうゆうのっていうのが たくさんあって、そうゆうへんなモヤモヤみたいなものを、巧く言い表しているひとだとおもう。 個人的には表題作もよかったけど、「花婿のハムラビ法典」がすごくすきでした。最強。 『カソウスキの行方』 津村記久子 講談社(2008) #
by schafmann777
| 2008-10-27 23:14
| 読書
■CINEMA REVIEW■
『いつも旅のなか』 角田光代 2005年 ふだん、女性作家さんのエッセイってなぜかまずよみません。有名なひとなら、なおさら。 あまのじゃくなんだろうか、実はこれだってはじめて読んだのです、角田光代さんのほん。 もしかしたら『対岸の彼女』くらいは読んだことあるのかもしれないけど、ぜんぜん記憶になく。 すごく純文学ちっくな人だと思っていたので、ビンボー旅炸裂な旅行記は意外なかんじがした。 東南アジア、南米、ヨーロッパ、世界各地を、彼女がほぼ一人旅で周った旅行記なんだけど、 どの旅の話も、表現がカラフルで、簡潔にわかりやすく書いてあるので、たのしく読めました。 よくも悪くも女の子らしい感覚のひとで、旅の感触がすごく感覚的で、ミョーにリアルというか、 内面をえぐるような感触を持った話が多くて、旅の途中で感じたことを、自分の中で咀嚼して、 還元していくさまがリアルで、共感したり、逆に笑い倒せなくて複雑な気持ちになったりする。 たしかに旅の行程を描いてはいるんだけど、単純に旅っていいなあ、みたいな体験記じゃなく、 旅が自分や世界をしるためのメディア(媒体)になり、そこに自分の姿やら世界のあり様やらを 映し出していたり、するどく顧みていたりするのだ。こうゆう感覚って、すごく女の子的だと思う。 特に「旅と年齢」っていう、ラオスを旅したときの話がすごくリアルで、なんかちょっと痛かった。 じぶんでも、気ままにともだちと、あるいはひとりでフラッとどこかへ出かけていくような暮らしを 5年近く続けていて、同じような感覚に捕われることがたまにあったから、ミョーに自分の内面を えぐられてしまったような、先達を見つけてしまったような、フクザツな気持ちになったのだった。 けっして難しい本じゃないし(むしろPOPだとおもう)、臨場感たっぷりの旅が満載なんだけど、 なんだかそれだけじゃ済まされないリアルな旅日記です。ううむ、読まず嫌いはいかんなあ。 文庫本の表紙も、蜷川実花さんの(あまりそれらしくない)写真で、けっこうお気に入り。 『いつも旅のなか』 角田光代 角川文庫(2008) #
by schafmann777
| 2008-10-27 22:55
| 読書
ヘルシンキ旅行、第2弾はデザインツアー編です。
Marimekko、iittala、Arabia、Alva Aalto、Antti Nurmesniemi、Ivana Helsinki、 いちいち挙げるとキリがないけど、ヘルシンキはなんといってもデザインにあふれた街です。 観光地の大半がデザインにかかわるものだし、そうゆう視点で周った方が断然楽しいところ。 街の印象は、ほんとうに地味なんだけど、歩いているとちょこちょこ目をひくデザインがあって、 街歩きが楽しいところでした。シンプルで主張しすぎないんだけど、色づかいとかがビビットで。 市場やアンティークショップを周っても、デザイン性の高いものが見つかって楽しかったなあ。 もちろん果ての国らしく、雑多なものもたくさんあるんだけど、そうゆうデザイン意識の高さと、 日用品との奇妙なバランスみたいなものが、フィンランドらしいのかもしれないなと思いました。 緑とデザインがきちんと融合しているところ、デザインのひとつひとつに暖かみがあるところ、 そうゆうひとつひとつが、フィンランド人のメンタリティーと繋がっているのかもしれないなあ。 アアルトの建築群はやっぱりどれもシンプルながら暖かい感じですごくよかったです。 More #
by schafmann777
| 2008-10-27 22:41
| 旅行
実は2か月以上前のはなしだったりするのですが、フィンランドはヘルシンキへいってきました。
おととしの夏にコペンハーゲン、去年はストックホルムへ行って、すっかり北欧のクリーンさに やられたわたし。同じメンバーでの北欧旅行・最終版はヘルシンキということになったのでした。 ヘルシンキは、想像していたよりもずっとずっと小さい街。そして資源が乏しい、質素なまち。 それでも街並がすごくカラフルで、自然もいっぱいあって、周っていてとてもたのしかったです。 コペンハーゲンやストックホルムに比べると、素朴で、規模の小さい感は否めないんだけど、 荒涼とした厳しい風土の中に、わずかだけどキラキラした夏と、思わずほっこりしちゃうような、 あったかい文化や伝統があって、日々の生活をきちんと慈しんでいる街、という気がしました。 派手なかんじもなく、質素で地味な暮らしのなかに、はっとするような工夫やひらめきがあって、 そうゆう何でもないけどちょっと豊かなくらしを愉しみにいくところなのかな、と思ったりしました。 第1弾は、ミーハー観光編。せっかくなのでしっかりミーハースポット周ってきましたよ。うしし。 More #
by schafmann777
| 2008-10-27 22:30
| 旅行
気づいたら9月も半ばです。びっくり。あいかわらずごぶさたしてしまってすいません。
ここから年末までは仕事続きのスケジュールで、ちょっとバタバタしてしまいそうです。 しばらくはこんなかんじで、ゆるゆる更新しようとおもいます。よろしくおねがいします。 先週末はケルンで出張を終えて、ひさびさびさにデュッセルドルフへ。リフレッシュ。 古い友人や先輩は、いつまでも変わらずにしなやかで、顧みて、思わずはっとする。 フランクフルトは今週から急に寒くなって、朝は5度前後。街にはコート姿もちらほら。 9月にコートっていうのはさすがにどうかと思う。今年の冬のはじまりは、予想外に早い。 バタバタのあいまを縫って、ようやく冬ものに衣替え、ついでにいろんなモノを整理する。 いまのWohnungに引越して2年、気がついたらすっかりモノが増えてしまって、 古い雑誌の記事を整理してファイルにしたり、夏服をまとめたり。随分すっきりした。 ウール洗剤でしまっておいたニットをまとめて洗って、今年はじめてのニットコートを。 ふわふわのニット、空気が冷たくなるのはいやだけど、毛糸のにおいはちょっとすきだ。 冬が近づいてるなあってかんじが、しんしんする週末。9月はウールのマンテルの季節。 #
by schafmann777
| 2008-09-21 21:44
| 日常生活
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